Cosnomi

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新しいWear OSスマートウォッチ Fossil Gen 5 を購入したのでレビュー

Sept. 16, 2019ITレビューWear OS

 2019年8月中旬頃に、Fossilから新しいWear OS搭載スマートウォッチFossil Gen 5が発売されました。前モデルに比べ搭載RAM容量が2倍になり、スピーカーやバッテリー節約機能がつくなど、大きな進化が見られます。日本語でのレビューは少ないようですから、ぜひ購入検討時の参考にしていただければと思います。

購入、開封

Fossil Gen 5の日本での販売価格は45,360円ですが、米国では295ドルです。送料等を考慮しても輸入したほうが安かったので、amazon.comで購入して日本に送ってもらいました。私が購入したときは公式サイト以外でのオンライン販売はなかったのですが、現在はamazon.co.jpでも販売されているようです。

パッケージはこのようにシンプルで、中には本体の下にUSB充電ケーブル・説明書・クイックスタートガイドが入っています。

Fossil Gen 5には主に男性向けと女性向けの2モデル、さらに各モデルには3種類のデザインがあり、合計6つのデザインから選ぶことができます。私は、黒のボディに黒のバンドを選択しました。

スクリーンの解像度は十分で、小さい文字でも問題なく読めます。カメラの問題で少しぶれて見えますが、実際はスマートフォンと同じくらいクリアです。

運動中でも日常生活でも使えるデザイン

スマートウォッチのデザインには、運動中の利用を念頭に置いて軽量性を重視したものと、日常生活でも使えるような質感を重視したものがあります。Fossil Gen 5は6種類のデザインがありますが、全て日常生活での使用がメインに見えます。とはいえ、私が購入したラバーバンドのモデルであれば軽量ですし、汗でベタつくこともないので運動中の利用も十分可能です。見た目も、革や金属よりはカジュアル寄りですが、案外安っぽくはありませんでした。

Fossil Gen 5の前のモデルFossil Sportはスポーツ利用がメインのデザインで、普段使いでは少し質感が気になるという人もいましたから、今回のGen 5のデザインは日常生活での使用を主眼に置きつつ運動中の使用も可能な丁度よいデザインだと思います。

動作速度とバッテリーが課題だったWear OSスマートウォッチ

従来のWear OSスマートウォッチでは動作速度とバッテリーが大きな課題でした。スマートウォッチはスマホを取り出すよりも早く操作できるのが強みですから、使いたいときにカクついたり電池切れを起こしたりしてしまっては、魅力は半減してしまいます。Wear OSスマートウォッチがそこまで注目されていなかったのは、動作速度とバッテリーの問題でまだ実用的ではないと判断するユーザーが多かったからです。しかし、Fossil Gen 5では、メモリの増量とバッテリー節約機能によって、これらの問題が改善されています。

メモリは512MBから1GBになり、レスポンスは安定

現在販売されているWearOSスマートウォッチは、512MBのRAMを搭載しているのが主流です。しかし、Fossil Gen 5は1GBのRAMを搭載しています。メモリ容量が2倍になったことで、Gen 5のレスポンスは安定しており、実際に使ってみてストレスを感じることはほとんどありませんでした。

Wear OSにはGoogle Assistantが搭載されており、天気を聞いたりWeb検索をしたりできます。例えば、“東京の明日の天気”と言えば、言い終えてから1秒以内に上の画像のように教えてくれます。待たされているという感覚はほとんどありません。音声認識の精度も問題なしです。

また、メニューをスクロールしているときにもカクつきはありませんでした。しかし、マップアプリは高負荷のためか数秒程度の待ち時間が生じます。それでも、何十秒も待たされるということはなく、個人的には許容範囲内です。ただし、初期設定やアプリをダウンロードするときなど、スマートフォン側と大きなデータをやり取りするときは時間がかかります。アプリの更新などは家で時計を使わないときに行ったほうが良いでしょう。

動作についてまとめると、日常的な使用で動作速度のためにストレスを感じることはありませんでした。もちろん、複雑な処理をするアプリにとってはこの処理速度では不十分でしょうが、ちょっとした操作を素早く行うというスマートウォッチの目的を考えると、問題ないといえるでしょう。

バッテリー節約機能で1日は余裕で持つ

バッテリーはスマートウォッチの大きな課題です。スマートフォンについては外出先にモバイルバッテリーを持ち歩いて充電することは珍しくありませんが、時計に関しては常に身につけていたいものですから、途中で充電を要するのは致命的です。とはいえ、時計ですから大容量のバッテリーを積むこともできません。そこで役に立つのが、Fossil Gen 5から搭載された、ウォッチのいくつかの機能を無効化することでバッテリーの持続時間を増やすモードです。例えば、Wi-Fiや「OK, Google」検出機能などはバッテリー消費量の割に得られるメリットが少ないと考える人もいるため、それらの機能を無効にするExtendedモードが用意されています。さらに、ユーザーが自分で各機能のON/OFFを切り替えられるCustomモードも利用可能です。

私はCustomモードを利用しており、設定は次のとおりです。

  • Bluetooth: ON
  • Always-on Screen: ON
  • Location(GPS): ON
  • Wi-Fi: OFF
  • OK Google Detect: OFF
  • Tilt to wake: OFF
  • Touch to wake: OFF

Wi-FiとOK Google Detectはバッテリー消費量の大きい機能ですから、OFFにしました。Always-on Screenも同様に消費量は多いと見られますが、これを切ってしまうと腕時計として使うのに不便だと考えたので、ONにしています。この設定で、7AMに家を出て10PMに帰ってきたときには、残りが40%程度だったので、24時間は持ちそうです

確かにバッテリー持続時間は長ければ長いほど嬉しいのですが、30時間持つとしても結局1日に1回充電しなければいけないのなら同じなので、20時間くらい持てば個人的には満足です。充電は簡単ですし、バッテリー容量が小さい分時間もかからないので、寝る前充電ではなく起床直後に充電することが多いです。

Fossil Gen 5はWear OSスマートウォッチの中ではバッテリー持ちは悪くない方ですが、それでも毎日の充電がほぼ必須な点は注意が必要です。

スピーカーは可もなく不可もなく

Fossil Gen 5にはスピーカーが付いており、Google Assistantの音声を聞いたり、電話ができたりします。最初は、Google Assistantを聞けるので便利だと思ったのですが、外だとあまり使う機会がないですね。人混みの中で「OK, Google」と口に出すのは少し勇気がいります。家の中で、携帯式スマートスピーカーのように使うのは便利だと思います。実際、私もそのように使っています。

音質については、普通に聞き取れる程度です。音楽を聞くようなスピーカーではないと思います。通話に関しては、一部ユーザーの報告で音質が非常に悪くなる現象が確認されていますが、ソフトウェアの問題だそうです。

Google Payは未対応だが、いずれ利用可能になる

残念ながら、Google Payはまだ対応していません。しかし、日本で使われている規格のFelicaにハードウェア的には対応しているようで、Googleによるソフトウェア・アップデート待ちのようです。前の世代からGoogleの対応待ちとなっているものの、特に情報が入ってこないので、当分先になるかもしれません。決済機能はApple Watchに対抗するには必須の機能だと思うので、早めに実装されてほしいという思いですが、Felicaについては日本独自仕様になってしまいますから、当分時間がかかるかもしれません。

まとめ

Fossil Gen 5は、Wear OSスマートウォッチは使い物にならないという悪評を払拭するような、実のある進化をしたスマートウォッチという印象です。メモリ増加・バッテリー管理機能の追加は、ウォッチの実用性を大きく向上させました。

Wear OSが気になってはいたけれど悪評が気になって購入を控えていた人、Apple Watchが羨ましいAndroidスマホユーザーにはとっては特に、このFossil Gen 5が魅力的に映ると思います。Apple Watchに押され気味のWear OSもこれを機に勢いを取り戻して欲しいですね。

(まだアプリが少ないと感じるので、他力本願ではなく自分もAndroid / Wear OSアプリ開発をやってみたいという気持ちです。)


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